【食い倒れないぞエッセイ】大分の二度泣き
2012年 07月 02日
【大分の二度泣き】という言葉があるそうだ。
「大分に引っ越しが決まった人が、『それどこ?聞いたことないよ』と泣き、また引っ越しして行く時に、『良いところだったな。出て行きたくないよ』と二度泣くことですよ」
と、空港に迎えに来てもらって、すぐの車内で教えてもらった。
仕事を終えて、ホテルに戻って今日は1泊。
大分の友人に、
「夕食を一緒にどう?」
と尋ねたけれど、
「そんな急に言われても、無理ですよー」
とあっさり断られてしまった。
初大分の夜をひとりごはんか…と、ミントのハーブティーをしんみり見つめていたら、
「その代わり、美味しいお店に案内するから」
と連れて行かれたのが、大分市内の【梁山泊】。
まだ早い時間なので、お店は貸切状態。
カウンターに陣取り、大将とお話ししながら飲むお酒は、
二階堂。まだ出始めのカボスが、きゅっと香る。
「大分初めてだから、【大分セット】にしてあげてね」
と友人が、ありもしないセットメニューを無理やり注文してくれて、大将はまず、
「お通しはクロメ。刺身も少しずつ、関アジ、関サバ、キビナゴ、タチウオ。背中の部分と腹身の部分に分けておいたよ」
と説明をしながら出してくれたので、それぞれの味わいをしっかり堪能する。
サクサクっと軽い衣の「とり天」と、しっかり身の締まった刺身の和え物「リュウキュウ」。お酒のアテには、最高。ここで、
「このお刺身のしょうゆ、少し甘い九州の特有のよね?」
という私の質問に答えて、大将が2種類のしょうゆの味比べと解説をしてくれる。
「時には、関東風の甘くないのでないと嫌という人もいるので、ご自由にお持ち込みどうぞって言ってるんですよ」
うーん、心が広いねぇ。
「鱧の炙り」を食べたらおなかいっぱい。
でも、「何か野菜を一品…」とお願いしたら、
「じゃあ、『ピーマンの肉詰め』がオススメ。おなかいっぱいでも食べられるから」
え?肉詰めでしょう?見るだけでおなかいっぱいになりそう。食べきれなかったら…と頭の中を肉詰めが堂々巡り。すると、
え?ええ?
生だし!
肉、詰めてないし!!
「そのそぼろをピーマンにのせて、丸かじりしてください」
シャクッ!
ピーマンの果肉の歯切れの良い音と、口の中に迸る汁気。
苦味も青臭さも全くない、フルーツのような瑞々しさ。
全く重さを感じることなく、あっという間に食べてしまった。
「この時期のピーマンしかできない、旬の味です」
旬のピーマン、ありがとう!!
【大分の二度泣き】が良く分かる、【大分の二度びっくり】の旬の味。
豊かな大分の大地を感じた。
※この「生ピーマンの肉詰め」は、梁山泊のオリジナル料理で、大分の肉詰めが全部これではありません。あしからず。
え?これを全部ひとりで食べたのかって?
いけませんか?
「大分に引っ越しが決まった人が、『それどこ?聞いたことないよ』と泣き、また引っ越しして行く時に、『良いところだったな。出て行きたくないよ』と二度泣くことですよ」
と、空港に迎えに来てもらって、すぐの車内で教えてもらった。
仕事を終えて、ホテルに戻って今日は1泊。
大分の友人に、
「夕食を一緒にどう?」
と尋ねたけれど、
「そんな急に言われても、無理ですよー」
とあっさり断られてしまった。
初大分の夜をひとりごはんか…と、ミントのハーブティーをしんみり見つめていたら、
「その代わり、美味しいお店に案内するから」
と連れて行かれたのが、大分市内の【梁山泊】。
まだ早い時間なので、お店は貸切状態。
カウンターに陣取り、大将とお話ししながら飲むお酒は、
二階堂。まだ出始めのカボスが、きゅっと香る。
「大分初めてだから、【大分セット】にしてあげてね」
と友人が、ありもしないセットメニューを無理やり注文してくれて、大将はまず、
「お通しはクロメ。刺身も少しずつ、関アジ、関サバ、キビナゴ、タチウオ。背中の部分と腹身の部分に分けておいたよ」
と説明をしながら出してくれたので、それぞれの味わいをしっかり堪能する。
サクサクっと軽い衣の「とり天」と、しっかり身の締まった刺身の和え物「リュウキュウ」。お酒のアテには、最高。ここで、
「このお刺身のしょうゆ、少し甘い九州の特有のよね?」
という私の質問に答えて、大将が2種類のしょうゆの味比べと解説をしてくれる。
「時には、関東風の甘くないのでないと嫌という人もいるので、ご自由にお持ち込みどうぞって言ってるんですよ」
うーん、心が広いねぇ。
「鱧の炙り」を食べたらおなかいっぱい。
でも、「何か野菜を一品…」とお願いしたら、
「じゃあ、『ピーマンの肉詰め』がオススメ。おなかいっぱいでも食べられるから」
え?肉詰めでしょう?見るだけでおなかいっぱいになりそう。食べきれなかったら…と頭の中を肉詰めが堂々巡り。すると、
え?ええ?
生だし!
肉、詰めてないし!!
「そのそぼろをピーマンにのせて、丸かじりしてください」
シャクッ!
ピーマンの果肉の歯切れの良い音と、口の中に迸る汁気。
苦味も青臭さも全くない、フルーツのような瑞々しさ。
全く重さを感じることなく、あっという間に食べてしまった。
「この時期のピーマンしかできない、旬の味です」
旬のピーマン、ありがとう!!
【大分の二度泣き】が良く分かる、【大分の二度びっくり】の旬の味。
豊かな大分の大地を感じた。
※この「生ピーマンの肉詰め」は、梁山泊のオリジナル料理で、大分の肉詰めが全部これではありません。あしからず。
え?これを全部ひとりで食べたのかって?
いけませんか?